準備

第1講 集合の記法

数の集合 次の記号は数学全般にわたって使用されている:
$\mathbf{N}:$すべての自然数からなる集合
$\mathbf{Z}:$すべての整数からなる集合
$\mathbf{Q}:$すべての有理数からなる集合
$\mathbf{R}:$すべての実数からなる集合
$\mathbf{C}:$すべての複素数からなる集合
「$\in$」と「$\notin$」 $x$ が集合 $A$ の要素(元)であることを $x\in A$ と表し, $x$ が集合 $A$ の要素(元)でないことを $x \notin A$ と表す. 例えば
$x\in\mathbf{R}$
$y\notin\mathbf{Q}$
はそれぞれ「$x$ は実数である」「$y$ は有理数ではない」ことを意味する.
外延的記法と内包的記法 例えば,すべての正の偶数からなる集合は
$\{\,2,4,6,8,\ldots\}$
あるいは
$\big\{\,n\in\mathbf{N}\ \big|\ \mbox{$n$ は $2$ で割り切れる}\,\big\}$
などと表される,前者のように要素を書き並べる記法を外延的記法といい, 後者のように要素が満たすべき条件を指定する記法を内包的記法という.
空集合 $\emptyset$ 要素をもたない集合を空集合といい,$\emptyset$ で表す.例えば,
$\{\,k\in\mathbf{N}\ |\ k\le 0\,\}=\emptyset$
$\{\,x\in\mathbf{R}\ |\ x^2<0\,\}=\emptyset$
区間 $\mathbf{R}$ における開区間や閉区間などの区間を内包的記法で表すと,例えば次のようになる:
$(0,1)=\{\,x\in\mathbf{R}\ |\ 0 < x < 1\,\}$
$[0,1]=\{\,x\in\mathbf{R}\ |\ 0 \le x \le 1\,\}$
$(-1,2]=\{\,x\in\mathbf{R}\ |\ -1 < x \le 2\,\}$
$(-\infty,3)=\{\,x\in\mathbf{R}\ |\ x < 3\,\}$
$[1,\infty)=\{\,x\in\mathbf{R}\ |\ 1\le x \,\}$