集合と位相

第10講 連結性

連結性 位相空間 $(X,\mathcal{O})$ において,集合 $A\ (\subset X)$ が連結であるとは,開集合 $O_1,O_2\in\mathcal{O}$ であって
$A\subset O_1\cup O_2$,$O_1\cap O_2\cap A=\emptyset$,$A\cap O_1\neq\emptyset$,$A\cap O_2\neq\emptyset$
を満たすようなものが存在しないことをいう. 特に,全体集合 $X$ が連結であるとき,位相空間 $(X,\mathcal{O})$ は連結であるという.
弧状連結性 位相空間 $(X,\mathcal{O})$ において,集合 $A\ (\subset X)$ が弧状連結であるとは,任意の二点 $a,b\in A$ に対して連続写像 $f:[0,1]\to (X,\mathcal{O})$ であって
$f(0)=a,\quad f(1)=b,\quad f([0,1])\subset A$
を満たすようなものが存在することをいう. 特に,全体集合 $X$ が弧状連結であるとき,位相空間 $(X,\mathcal{O})$ は弧状連結であるという.
 一般に,弧状連結な集合は連結である.弧状連結とは,任意の二点を連続な曲線で結ぶことができることであって,そのような集合は「一つにつながっている」,すなわち連結であることは直観的に予想できるであろう. しかし,連結であっても弧状連結とは限らない.すなわち連結よりも弧状連結のほうが強い条件なのである.