線型代数

第14講 正規直交基底

正規直交系と正規直交基底 $(V,(\cdot,\cdot))$ を内積空間とする.すなわち,$V$ は内積 $(\cdot,\cdot)$ が定義されたベクトル空間である.$V$ のベクトルの組 $\{\mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2,\ldots,\mathbf{u}_m\}$ が正規直交系(ONS)であるとは
$(\mathbf{u}_i,\mathbf{u}_j)=\left\{\begin{array}{ll}1&\mbox{if $i=j$}\\0&\mbox{if $i\neq j$}\end{array}\right.$
を満たすことをいう.
 正規直交系でかつ基底何だっけ? であるものを正規直交基底(ONB)という.
 $\{\mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2,\ldots,\mathbf{u}_n\}$ を内積空間 $(V,(\cdot,\cdot))$ の正規直交基底とするとき,$V$ の任意のベクトル $\mathbf{v}$ は
$\mathbf{v}=(\mathbf{v},\mathbf{u}_1)\mathbf{u}_1+(\mathbf{v},\mathbf{u}_2)\mathbf{u}_2+\cdots+(\mathbf{v},\mathbf{u}_n)\mathbf{u}_n$
と表わされる詳しく!
Gram-Schmidtの正規直交化法 内積空間 $(V,(\cdot,\cdot))$ において,任意に与えられた(一次独立な)ベクトルの組 $\{\mathbf{a}_1,\mathbf{a}_2,\ldots,\mathbf{a}_n\}$ から,次のGram-Schmidtの正規直交化法により正規直交系 $\{\mathbf{e}_1,\mathbf{e}_2,\ldots,\mathbf{e}_n\}$ をつくることができる.