実数 > 第1講 順序体

問題

  1. 集合 $X=\{\,0,1\,\}$ が体となるように演算を定義せよ.
  2. 集合 $X=\{\,0,1,2\,\}$ における和を次の表のように定義する.
    $\begin{array}{c|ccc}+&0&1&2\\\hline 0&0&1&2\\ 1&1&2&0\\ 2&2&0&1\end{array}$
    すなわち,$0$ が加法単位元であり
    $1+1=2,\quad 1+2=2+1=0,\quad 2+2=1 $
    である.
    $\mathrm{(1)}$ $X$ における積を,$1$ を乗法単位元とし,与えられた和とともに分配法則が成り立つように定義せよ.
    $\mathrm{(2)}$ 上で定義された和と積に関して,$X$ が体となるかどうか調べよ.
  3. 集合 $X=\{\,0,1,2,3\,\}$ における和を次の表のように定義する.
    $\begin{array}{c|cccc}+&0&1&2&3\\\hline 0&0&1&2&3\\ 1&1&2&3&0\\ 2&2&3&0&1\\ 3&3&0&1&2\end{array}$
    すなわち,$0$ が加法単位元であり
    $2+2=0,\quad 2+3=3+2=1,\quad 3+3=2 $
    などである.
    $\mathrm{(1)}$ $X$ における積を,$1$ を乗法単位元とし,与えられた和とともに分配法則が成り立つように定義せよ.
    $\mathrm{(2)}$ 上で定義された和と積に関して,$X$ が体となるかどうか調べよ.
  4. 次を示せ.
    $\mathrm{(1)}$ 有限集合は順序体には成り得ない.
    $\mathrm{(2)}$ $\mathbf{C}$ の通常の演算はいかなる全順序とも両立しない.
  5. 体 $X$ の部分集合 $P$ が正錐であるとは
    ・$x,y\in P\ \Rightarrow\ x+y,xy\in P$
    ・$\forall x\in X,\ x^2\in P$
    ・$-1\notin P$
    ・$x\notin P\ \Rightarrow\ -x\in P$
    の4条件を満たすことをいう.$P$ が正錐であるとき
    $x\le y\ \stackrel{\mathrm{def}}{\iff}\ y-x\in P$
    と定めると $X$ は順序体となる.このことを示せ.
  6. 四元数体 $H$ とは,虚数単位 $i,\ j,\ k$ を用いて
    $a+bi+cj+dk,\quad(a,b,c,d\in\mathbf{R})$
    と表される数の集合であって
    $i^2=j^2=k^2=ijk=-1$
    という関係および複素数と同様の計算規則によって演算が定義されたものである. これについて,以下の問いに答えよ.
    $\mathrm{(1)}$ 次が成り立つことを確かめよ.
    $\mathrm{(i)}\quad ij=-ji=k$,$jk=-kj=i$,$ki=-ik=j$
    $\mathrm{(ii)}\quad (a+bi+cj+dk)(a-bi-cj-dk)$$=a^2+b^2+c^2+d^2$
    $\mathrm{(2)}$ 次の計算をせよ.
    $\mathrm{(i)}\quad (1+i+j+k)(1-i+2j-3k)$
    $\mathrm{(ii)}\quad \dfrac{1-3j}{2+i+j-4k}$
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