集合と位相

第11講 compact性

compact性 位相空間 $(X,\mathcal{O})$ において,集合 $K\ (\subset X)$ がcompactであるとは, 開集合の族 $\{\,O_\lambda\in\mathcal{O}\ |\ \lambda\in\Lambda\,\}$ であって
$\displaystyle K\subset\bigcup_{\lambda\in\Lambda}O_\lambda$
を満たすものが任意に与えられたとき,ここから有限個の開集合 $O_{\lambda_1},O_{\lambda_2},\ldots,O_{\lambda_N}\in \{\,O_\lambda\in\mathcal{O}\ |\ \lambda\in\Lambda\,\}$ を選んで
$\displaystyle K\subset\bigcup_{k=1}^NO_{\lambda_k}$
とできることをいう. このような状況を「$K$ の任意の開被覆から有限開被覆を選べる」と言い表す.全体集合がcompactであるような位相空間をcompact空間という.
 一般に,compact性の判定はあらゆる開被覆を可能性として考えなければならず,多くの場合容易ではないが,$\mathbf{R}^n$ (通常の位相)においてはcompactであることと有界閉集合であることは同値である証明pdfので,その場合に限ってはcompactであるか否かが重大な問題になることは少ない.